飛行機へのモバイルバッテリーの持ち込み制限について【国内線・国際線】

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旅行先で手軽にスマホやノートパソコンを充電出来る、便利なアイテム「モバイルバッテリー」。モバイルバッテリー(携帯充電器)があれば、スマホのバッテリーの減りを気にせず、外出中でも地図アプリで目的地までの行き方を調べたり、食べログや海外ブログで人気グルメや観光スポットを調べたり、綺麗な風景を写真や動画に収めたりと、快適な旅を楽しむことが出来ます。そのため、今やモバイルバッテリーは旅行には欠かせないアイテムの一つ。

ただ、キャリーケースやバックパックといった預け入れ荷物にモバイルバッテリーを入れて預けるのは国内線と国際線の全航空会社で禁止されています。モバイルバッテリーを旅行先に持っていく場合は手荷物として機内へ持ち込む必要があります。その場合、航空会社各社によって持ち込むことが出来る容量の大きさや、個数の制限があります。この記事では、ANAやJALはもちろん、日本人に人気の国内線と国際線の各航空会社の条件をまとめて掲載しているので、是非参考にしてみてください。

航空会社各社の機内持ち込み・預け入れ制限一覧表

国内線

機内持ち込み 預け入れ荷物
100Wh未満(27,027mAh) 100Wh~160Wh(27,027mAh~43,243mAh) 160Wh超(43,243mAh超) 全て
ANA 〇※2個まで × ×
JAL 〇※2個まで × ×
ジェットスター 〇※2個まで × ×
ピーチ・アビエーション 〇※2個まで × ×
ソラシドエア 〇※2個まで × ×
バニラエア 〇※2個まで × ×
エアドゥー 〇※2個まで × ×
スカイマーク 〇※2個まで × ×

国際線

機内持ち込み 預け入れ荷物
100Wh未満(27,027mAh) 100Wh~160Wh(27,027mAh~43,243mAh) 160Wh超(43,243mAh超) 全て
ANA 〇※2個まで × ×
JAL 〇※2個まで × ×
大韓航空 〇※5個まで(100Wh~160Whは2個まで) × ×
中国国際航空 〇※2個まで × ×
中国東方航空 〇※2個まで × ×
チャイナエアライン 〇※2個まで × ×
デルタ航空 〇※2個まで × ×
ユナイテッド航空 〇※2個まで × ×
フィンランド航空 〇※2個まで × ×

モバイルバッテリーの持ち込み・預け入れ制限の要約

全航空会社で預け入れ禁止

リチウムイオン電池の預け入れは、国際民間航空機関(ICAO)や航空法86条、国土交通省(JCAB)、ANAやJALといった各航空会社のルールによって禁止されています。国内、海外ともに、キャリーケースやバックパック等にリチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーを入れて預けることは出来ない。現在、多くのモバイルバッテリーがコンパクトで軽く、たくさん充電出来るリチウムイオン電池を使用しているため、実質全てのモバイルバッテリーは預けることが出来ないと思って大丈夫。スマホより小さいコンパクトな大きさのものから、キャンプに持っていくような大容量のものまで全てのモバイルバッテリーが預け入れ禁止です。

もし、誤って預けてしまった場合、預け入れ手荷物の検査で引っ掛かり、飛行機への荷物の搬入が遅れて飛行機の離陸の遅れにつながる場合があります。また、海外の空港の場合、中身の確認のためにキャリーケースの鍵を壊されたり、モバイルバッテリーを没収される可能性があります。モバイルバッテリーを持っていく場合は、誤って預けてしまわないように注意しておきましょう。

機内への持ち込みは160Wh以下のみ可!さらに個数制限有り

モバイルバッテリーは預け入れは不可ですが、機内へ手荷物として持ち込むことは可能です。持ち込むことが出来るモバイルバッテリーは160Wh(ワットアワー)以下のもの。160Whを、モバイルバッテリーの容量を示す「mAh(ミリアンペアアワー)」に変換すると、43,243mAh。スマホ用モバイルバッテリーは、大容量のものでも30,000mAh以下のものがほとんど。43,243mAhを超えるものはまず無いので、一般的なモバイルバッテリーであれば持ち込み不可となることはまずない。

ただ、100Wh~160Whは個数制限があります。ほとんどの航空会社で2個までというルールが設定されています。一方、100Wh以下は個数制限無し。一般的なスマホ用のモバイルバッテリーであれば、100Wh以下であることが多いので、個数制限もさほど心配する必要はありません。ただ、大韓航空を代表するように海外の航空会社では、100Wh以下でも個数制限を設定している場合もありますので、海外の航空会社を利用する場合は持ち込む個数にも注意しておきたい。

各航空会社で規定しているWhについて

計算方法

ワット時定格量(Wh)={定格定量(mAh)÷1000}x3.7(V)

国際民間航空会社、国土交通省、各航空会社がリチウムイオン電池を使用した予備電池(モバイルバッテリー)の制限で採用している規格が、ワット時定格量(Wh)。ワット時定格量は、「ワット時定格量(Wh)={定格定量(mAh)÷1000}x3.7(V)」という計算で導きだすことが出来ます。今現在持っているモバイルバッテリーが機内に持ち込めるかどうか、何個まで持ち込み可能か調べる場合は、この計算式を利用して確認してみてください。

モバイルバッテリー本体にWhの記載が必要

モバイルバッテリーの機内への持ち込みは、160Whを超えていないこと。そして、多くの航空会社では、100Wh~160Whは1人あたり最大2個までとしている。この時の基準となるのは、あくまでもワット時定格量(Wh)。実際、160Wh以下であっても、モバイルバッテリー本体に「Wh」の記載が無い場合は、機内への持ち込みを拒否されることがあります。

「mAh」がわかれば簡単な計算式でWhを導くことは出来ますが、Whが記載されていないと危険性があると判断されて160Wh超のモバイルバッテリー同様に持ち込みを拒否されます。特に海外の場合、Whの記載が無いことで空港で没収されてしまうケースが多いです。モバイルバッテリーを持ち込む場合は、Whの記載があるかどうか確認しておきましょう。

なぜモバイルバッテリーは預け入れ不可で持ち込みにも制限があるのか??

リチウムイオン電池は発火のリスクが高い

モバイルバッテリーに使われている電池は、大半がリチウムイオン電池。リチウムイオン電池は、今のスマホやノートパソコン、モバイルバッテリーに多く使われている電池。その他の電池に比べて軽量でコンパクトながら容易に高電圧を得られる特長を持つため、小型で高性能な今日の電子機器に欠かせない電池です。

こういったメリットがある一方、今現在使われているリチウムイオン電池はまだまだ不安定なもので発火のリスクを伴います。特に強い衝撃や圧迫が加わったり、充電のし過ぎや使い過ぎなどが原因となって発火してしまう可能性があります。こういった発火のリスクを伴うため、リチウムイオン電池は危険物として取り扱われ、預け入れは全面的に禁止、そして機内への持ち込みにも制限が付けられているのです。

全世界でリチウムイオン電池を使用したスマホやモバイルバッテリーで発火事故が起きている

実際、全世界でリチウムイオン電池による発火事故が起きています。特に有名な事故と言えば、携帯電話会社サムスンの人気シリーズ「GalaxyNote7」で起きた発火事故。発売直後から立て続けに発火事故を起こし、リコール後の交換品でも発火事故が起こったため、米国FAA(連邦航空会社)が”ギャラクシーノート7の機内への持ち込みを全面的に禁止すること”を発表。それに追随するように世界各国の各航空会社がギャラクシーノート7の預け入れはもちろん、機内への持ち込みも全面的に禁止する措置をとることになりました。

また、国内では2016年8月22日に新千歳空港発羽田空港行きのスカイマーク機内で乗客のモバイルバッテリーから煙が発生する事故が発生。この事故では、乗客に怪我はなかったものの、消火に当たった客室乗務員2名が軽度のやけどを負う形となりました。2017年9月11日にはJR山手線電車内で、男子大学生のリュックサック内の携帯電話のバッテリーが発火するという事故が起きています。これら以外にも世界各国でリチウムイオン電池による発火事故が起きているため、預け入れ・機内への持ち込みに制限がかけられているのです。

預け入れ不可で持ち込みのみ制限付きでOKな理由は、目の届かない場所での発火による重大な事故を防ぐため

リチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーは預け入れは全面的に禁止で、機内への持ち込みのみ制限付きで可能となっている。その理由は、目の届かない貨物室での発火を防ぐため。客室で発火した場合は、すぐに対応できるが、貨物室の場合はそうもいかない。そのため、持ち込みは個数を制限することでOKとしているが、預け入れは個数や容量に関係なく禁止となっている。

まとめ

  • モバイルバッテリーは預け入れは不可
  • 160Wh以下のみ機内への持ち込みが可能
  • Whの記載を確認しておく

モバイルバッテリーを持っていく場合は、安全性の観点から預け入れは不可で機内への持ち込みのみOK。キャリーケースやバックパックを預ける場合は、中にモバイルバッテリーを入れたまま誤って預けてしまわないように注意しておきましょう。それを防ぐためにも、事前に機内へ持ち込み手荷物かばんにモバイルバッテリーを入れておくのがおすすめです。

また、多くのモバイルバッテリーは160Wh以下ですが、念のために持参するモバイルバッテリーのWhを確認しておきましょう。多くの場合、本体にWhが記載されています。もし、Whの記載が無いと、機内へ持ち込みできないこともあるため、事前の確認必須です。これからモバイルバッテリーを買うことを考えているなら、160Wh(43,243mAh)以下で、かつ本体にしっかりWhが記載されているものを選ぶのがおすすめです。