補償はある?飛行機が遅延した場合の航空会社の対応

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飛行機が遅延した場合は、何らかの補償を受けられる場合があります。飛行機の遅延理由としては天候によるものと会社都合によるものがあります。飛行機が遅延して補償を受けられるケースは会社都合によるもの。機材繰りや機材故障といった理由で飛行機の出発が大幅に遅れてしまった場合は補償を受けられる可能性が高いです。

この記事では、航空会社から具体的にどんな補償が受けられるのか紹介しています。また、会社都合でも補償を受けられないケースもあるので、是非参考にしてみてください。

飛行機の遅延は良くある?各航空会社の遅延率

航空会社 遅延率
JAL 7.00%
ANA 7.87%
スカイマーク 4.49%
エアドゥ 4.94%
ソラシドエア 9.25%
スターフライヤー 5.74%
ピーチ 13.96%
ジェットスター 12.84%
バニラエア 14.42%
春秋航空日本 24.02%

国土交通省が発表する、2018年4月から6月の「各航空会社の欠航率」は上記の通り。これらの欠航率は「天候によるもの」、「機材故障によるもの」、「機材繰りによるもの」、「その他によるもの」と全ての遅延理由を含んだ欠航率。各航空会社を比較すると、特に遅延率が高いのがピーチ、ジェットスター、バニラエア、春秋航空日本といったLCC(格安航空会社)です。各安航空会社は運賃が安い分、大手航空会社(ANAやJAL)、中堅航空会社(スカイマークやエアドゥ等)に比べて遅延率が高い。

また、各航空会社の遅延理由の中で一番多いのが「機材繰り」。通常、私たちが搭乗する飛行機は他の空港から飛んできた飛行機です。1つの飛行機で1日に何度も乗客を乗せて飛ぶので、1度天候、機材故障による出発遅延が起こると、その次以降の出発に影響が出て遅延が発生します。これが機材繰りによる遅延。特にLCCは少ない機材でたくさんの便を飛ばしているので、機材繰りによる遅延が発生する可能性が高いのです。

飛行機の遅延理由は主に2つ

天候

飛行機の遅延理由の一つが「天候によるもの」。飛行機の遅延理由の中で天候による遅延が占める割合はそれほど多くはありませんが、雪に見舞われる冬や台風シーズンである7月から10月は天候による飛行機の遅延が発生する可能性が高くなります。

特に新千歳空港は冬場に大雪による影響で出発遅延・欠航が起こることが多いです。一方、同じ北海道の空港でも旭川空港は新千歳空港と違って便数が少ないこともあり除雪作業が捗るので、新千歳空港が雪の影響で欠航となっている場合でも問題なく飛行機が飛んでいる場合が多いです。また、台風シーズンは台風が那覇空港周辺を直撃することが多いので、台風による遅延・欠航が発生する可能性が高いです。

航空会社都合

飛行機の遅延で一番多いのが「航空会社都合によるもの」です。航空会社都合の遅延は、出発予定の飛行機(機材)の到着が遅れる「機材繰り」や機体のエンジンや車輪、空調などの機体のどこかに不具合が見つかる「機体故障」といったものがあります。

ANAやJALといった一般航空会社の場合は到着機材が遅れても代替え機材で対応したり、機体の故障も優秀な整備士による迅速な対応でカバーすることが出来るため、会社都合による遅延率も低い。一方、LCCは経費削減のために少ない機材、少ない人員で対応しているため、到着機材の遅れや機体故障による遅延が一般航空会社に比べて発生しやすく、遅延時間も長くなる傾向があります。

天候による遅延は原則“補償対象外”

飛行機の遅延によって目的地空港への到着が遅れてしまった場合、航空会社から何らかの補償を受けられる可能性はありますが、「天候による遅延」は補償の対象外です。大雨、大雪、台風といった天候は、航空会社ではどうしようもない“不可抗力”によるもの。そのため、天候が原因で出発が遅延した場合は航空会社にその責任は無いので、補償を受けることは出来ません。

会社都合の場合は補償あり!遅延で受けられる補償例

食事費

機材繰りや機体故障といった航空会社の都合によって飛行機の出発が遅延した場合は補償を受けることが出来ます。その補償で一番多いのが「食事費」。搭乗前に大幅な遅延が発生した場合、チェックインカウンターで食事費として“ミールクーポン”が支給されるケースが多いです。

ミールクーポンは大体1,000円程度のもの。空港内の飲食店で当日限定で使用出来るクーポン券で、飛行機の出発を待っている間の軽食や食事を摂るために支給されます。また、航空会社によっては、ミールクーポン以外に飲み物やおにぎりといった軽食をプラス支給されることもあります。

交通費

出発遅延によって、到着空港に遅い時間帯に到着し公共交通機関(電車やバス等)が走っていない場合、交通費としてタクシー代が支給されることがあります。その場合の支給額は各航空会社によって1人あたりの限度額が設定されており、その場で支給されるケースもありますが、多くは後日交通費を請求するといった形になります。

ちなみにANAの場合は1人あたり上限15,000円と設定されています。

宿泊費

出発が遅延となり翌日以降の出発となった場合、乗継便で乗り継ぎに間に合わず翌日出発の便に振り替えとなった場合は、ホテルを手配してもらえる可能性があります。

航空会社都合でも補償を受けられないケース

飛行機の遅延で新幹線に乗り遅れた

会社都合の出発遅延によって目的地空港への到着が遅れ、予約していた新幹線やその他特急電車に乗り遅れてしまった場合でも、航空会社から補償は一切ありません。

例え到着時間が遅れてしまっても、“乗客を無事目的地まで届ける”という役割を果たしたので、その後に個別に予約していた公共交通機関への乗り継ぎに関しては航空会社に責任はありません。そのため、新幹線のチケットが無駄になってしまっても航空会社にその補償を求めることは出来ません。

A航空会社の遅延でB航空会社に乗り遅れた

同じ航空会社で乗継便を予約していた場合は、会社都合にせよ天候によるものにせよ、飛行機の遅延で乗り継ぎに失敗した場合は、振替便を用意してくれます。また、払い戻しも可能です。乗り継ぎが失敗し、当日中に振り替え便に乗れない場合は宿泊ホテルやホテルまでの交通費を支給してくれる場合があります。

ただし、個人で別々の航空会社のチケットを予約していた場合は、それぞれの航空会社に乗り継ぎ失敗の責任はないので、飛行機の遅延で乗り継ぎに失敗しても補償はありません。場合によっては振替便を用意してくれることもありますが、基本的に乗継便のチケットは無駄になってしまいます。

最後に

天候が原因で飛行機が遅延した場合は補償を受けられないのがほとんどですが、会社都合で遅延した場合は何らかの補償を受けられるケースが多いです。補償例としてはミールクーポン、タクシー代、ホテル手配といったものが一般的です。ミールクーポンに関してはチェックインカウンターや搭乗口などで配られるのでわかりやすいですが、タクシー代やホテルの手配等は遅延時にスタッフに直接聞かないと教えてくれないケースも多いので、飛行機が大幅に遅れて到着時間が遅くなる場合や乗り継ぎが出来ない場合などは地上スタッフに確認してみると良いでしょう。