ANAの航空券は予約時に安い運賃ほどキャンセル時のキャンセル料金が高くなります。一方、キャンセル料金が発生しない運賃或いはキャンセル料金が安く済む運賃は予約時に高い運賃が必要です。そのため、多くの人はキャンセル料が高くても安く購入出来る、割引率の高いチケットを購入しています。
そのため困るのが急な予定の変更によるキャンセル時。キャンセルするタイミングによってはキャンセル料が支払った金額の全額または60%に達することもあるため、かなり痛い出費となってしまいます。そこで、この記事ではANAの航空券のキャンセル料金を出来るだけ安く抑え、少しでも多くの金額を払い戻せるように、払い戻す時のポイントを紹介しています。
キャンセル料金が発生するタイミング
ANAの航空券を予約した後、予約をキャンセルしたいと思った場合、「購入前(支払い前)」にキャンセルするか、「購入後(支払い後)」にキャンセルするかでキャンセル料金が大きく違ってきます。
購入前
ANAのウェブサイトや予約受付センター(電話)、空港カウンターでチケットを予約した場合、航空券の運賃を支払う前であればキャンセル料金は発生しません。
もちろん通常運賃(ANA FLEXや小児運賃)だけではなく、早割運賃といったバーゲンセール価格の運賃も同様に購入前であればキャンセル料は無料です。
購入後
ANAの航空券でキャンセル料金が発生するのは、チケット代を支払った後からです。クレジットカードやインターネットバンキング、銀行振込、コンビニ払い等で支払った後は基本的にキャンセル料金が発生します。
運賃支払い後のキャンセル料金の内訳
全日空(ANA)の航空券を払い戻す場合、払い戻し時期や運賃タイプによって違いはありますが、基本的にキャンセル料金が必要です。そして、キャンセル料金の内訳は「払戻手数料」と「取消手数料」の2つの手数料です。
払戻手数料
ANAのチケット払い戻し時に必要なキャンセル料の一つが「払戻手数料」です。払戻手数料は変更可能運賃(ANAフレックス、小児運賃、プレミアム運賃等)を含む全ての運賃で発生するキャンセル料です。
1名につき1区間430円で往復チケットの場合は2区間で計860円の払戻手数料が発生します。通常、普通運賃である「ANAフレックス」や「小児運賃」では出発前の払い戻し時に取消手数料は不要ですが、払戻手数料だけ必要です。
取消手数料
ANAチケットを払い戻しする際に一番高くつくのが「取消手数料」です。ANAの運賃はキャンセル時期や運賃タイプによって5~100%相当の取消手数料が発生します。キャンセル料を少しでも安く抑えるためには、この取消手数料を出来るだけ安く抑えることが大事です。
取消手数料(キャンセル料)が発生する航空券の種類
ANAの運賃タイプによって、チケット代金を支払った後に取消手数料(キャンセル料)が発生するものと発生しないものがあります。
取消手数料(キャンセル料)がかかる運賃
「ANAスーパーバリュー(旧旅割)」と「ANAバリュー(旧特割)」、「ANAスーパーバリューセール(旧旅割X)」、「バリュートランジット」、「スーマートシニア空割」、「スマートU25」といった運賃は支払後から取消手数料がかかります。
上記の航空券は取消手数料がかかるものの、航空券代が通常運賃に比べて30~70%程度安くなっているので、多くの人が友人や家族との旅行や一人旅に利用しているチケットです。
取消手数料(キャンセル料金)がかからない運賃
多くの人が利用する早割や直前割引の運賃は支払い後から取消手数料が発生しますが、「ANAフレックス(旧片道運賃)」や「小児運賃」、「ビジネスきっぷ」、「プレミアム運賃」といったチケットは支払い後も取消手数料は発生しません。出発直前までキャンセル並びに予約便の変更が可能です。
こちらの運賃は航空券代は高いものの、直前まで予約変更やキャンセルが可能なので、会社の経費で飛行機を利用出来るサラリーマンの出張用として良く利用されているものです。
運賃別、時期別の取消手数料
ANA SUPER VALUE PREMIUM 28/ANA SUPER VALUE 75/ANA SUPER VALUE 55/ANA SUPER VALUE 45/ANA SUPER VALUE 28/ANA SUPER VALUE21/ANA SUPER VALUE SALE/ANA SUPER VALUE EARLY | ANA VALUE PREMIUM 3、ANA VALUE 1、ANA VALUE 3、ANA VALUE TRANSIT、ANA VALUE TRANSIT 7、ANA VALUE TRANSIT 28、スマートシニア空割、スマートU25 | プレミアム運賃/プレミアム身体障がい者割引運賃/プレミアム株主優待割引運賃、プレミアムビジネスきっぷ/ANA FLEX、ビジネスきっぷ、身体障がい者運賃/株主優待割引運賃/アイきっぷ/介護割引/プレミアム小児運賃/プレミアム小児株主優待割引運賃/小児運賃/小児株主優待割引運賃 | |
---|---|---|---|
購入~55日前 | 0 | 5% | 0 |
54~45日前 | 30%相当額 | ||
44~28日前 | 40%相当額 | ||
27~14日前 | 50%相当額 | ||
13~出発時刻前 | 60%相当額 |
ANA航空券のキャンセル時に発生する取消手数料は、定番の早割運賃である「ANAスーパーバリュー」とファーストクラスの早割「ANAスーパーバリュープレミアム」がキャンセル時期によって取消手数料が0~60%と変動するものです。旅行でANAを利用する多くの人が早割運賃「ANAスーパーバリュー75/55/45/28/21」を購入しているので、時期によって30~60%の取消手数料がかかると頭に入れておきましょう。
また、直前割運賃である「ANAバリュー」や乗継割引運賃である「ANAバリュートランジット」、当日に購入出来るシニア割の「スマートシニア空割」、当日に購入出来る若者・学生割引の「スマートU25」といった運賃は購入後から5%の取消手数料がかかります。
「ANAフレックス」や「少児運賃」、「プレミアム運賃」といった運賃は出発時刻前の払い戻しに際し取消手数料はかかりません。
出発予定時刻以降は全ての運賃で取消手数料(キャンセル料)が発生する
キャンセル料金 | |
---|---|
100%相当額 | 20%相当額 |
ANA SUPER VALUE PREMIUM 28/ANA SUPER VALUE 75/ANA SUPER VALUE 55/ANA SUPER VALUE 45/ANA SUPER VALUE 28/ANA SUPER VALUE21/ANA SUPER VALUE SALE/ANA SUPER VALUE EARLY/ANA VALUE PREMIUM 3、ANA VALUE 1、ANA VALUE 3、ANA VALUE TRANSIT、ANA VALUE TRANSIT 7、ANA VALUE TRANSIT 28、スマートシニア空割、スマートU25 | プレミアム運賃/プレミアム身体障がい者割引運賃/プレミアム株主優待割引運賃、プレミアムビジネスきっぷ/ANA FLEX、ビジネスきっぷ、身体障がい者運賃/株主優待割引運賃/アイきっぷ/介護割引/プレミアム小児運賃/プレミアム小児株主優待割引運賃/小児運賃/小児株主優待割引運賃 |
航空券をキャンセルする時に注意しておきたいのが、“出発時刻”を過ぎると全ての運賃タイプで取消手数料が発生するということです。早割の「ANAスーパーバリュー」と直前割の「ANAバリュー」はもちろんのこと、普通運賃の「ANAフレックス」とファーストクラスのチケット「プレミアム運賃」でも出発時刻を過ぎると取消手数料が発生します。
通常、取消手数料が発生する運賃タイプ(早割や直前割等)は出発時刻を過ぎると運賃の100%相当額、キャンセル料金が発生しない運賃タイプ(ANAフレックスや小児運賃等)は出発時刻を過ぎると運賃の20%相当額の取消手数料が発生します。
キャンセル料金を安く抑えるポイントは「55日前/45日前/28日前/14日前」!
キャンセル料(取消手数料) | |||||
---|---|---|---|---|---|
~55日前 | 54~45日前 | 44~28日前 | 27~14日前 | 13~出発時刻前 | 出発後 |
0% | 30% | 40% | 50% | 60% | 100% |
割引率が高く、多くの人が旅行で利用するチケット「ANAスーパーバリュー75」、「ANAスーパーバリュー55」、「ANAスーパーバリュー45」、「ANAスーパーバリュー28」、「ANAスーパーバリュー21」は、それぞれ「55日前・45日前・28日前・14日前・出発時刻前」を境にキャンセル料(取消手数料)が大きく変動するので、この変動タイミングをしっかりと把握しておくことが大切です。
キャンセル料を少しでも安く抑えるためには、「44日前ではなく45日前に!」、「27日前ではなく28日前に!」、「13日前ではなく14日前に!」取消手続き(キャンセル手続き)をすることが重要です。
購入済み航空券のキャンセル方法と返金の流れ
キャンセル手続きの方法
ANA航空券をキャンセルする方法は主に3通り。ウェブサイトでキャンセルする方法とコールセンターへ電話を入れてキャンセルする方法と直接空港カウンターへ行ってキャンセルする方法の3通りです。
キャンセル方法①ANAウェブサイト・アプリ
ANAマイレージクラブ会員の人は「予約検索」でログイン、一般の人は予約便を検索して予約便のキャンセル(払い戻し)手続きが出来ます。
キャンセル方法②予約センター(電話)
ANA国内線予約・案内センターへ電話を入れることで航空券のキャンセル(払い戻し)手続きが出来ます。
キャンセル方法③空港カウンター
ウェブサイトや電話だけではなく、当日空港のANAカウンターでキャンセルをすることも可能です。
返金の流れ
クレジットカードか現金かANASKYコインか、それぞれによってキャンセル手続きをしてから返金を受けるまでに差があります。また、これらの返金は、支払った全額の返金ではなく、支払った金額から「払戻手数料」と「取消手数料」が差し引かれた金額です。
返金方法①クレジットカード
航空券をクレジットカードで支払った場合、支払ったクレジットカードの口座へ払い戻すことが可能です。ただし、返金には時間がかかり目安として1~2カ月程度かかります。
返金方法②現金
現金での払い戻しは、ウェブサイトで払い戻し手続きをした場合は金融機関の営業時間内であれば当日、営業時間外であれば翌営業日に指定口座へと振り込まれます。予約・案内センター(電話)の場合は払戻手続き後7日以内を目安に振り込まれます。
また、空港カウンターでの払い戻しの場合はその場で現金で返金されます。
返金方法③ANA SKYコイン
ANA SKYコインの場合はキャンセル手続きと同時にコインを返してもらえます。
キャンセル料金が発生しない特例ケース
「悪天候(台風や大雪等)」や「会社都合(機材故障等)」によって予約便が遅延・欠航した場合はキャンセル時に通常発生する払戻手数料と取消手数料無しにキャンセル(払い戻し)が可能です。
また、それらのケースを除く自己都合のキャンセルの場合は通常、払戻手数料と取消手数料がかかるのが基本です。しかし、「自身の病気」や「身内の不幸」があった際には特例として払戻手数料と取消手数料無しにキャンセル(払い戻し)が可能です。もちろん、その際は「医師の診断書等」、旅行に行けなくなった理由を示す証拠物が必要となるので、それらをとっておく必要があります。
これら以外でも特例として認められるケースもあるので、もし何らかのやむを得ない理由で旅行へ行くことが出来なくなった場合は「ANAお問合せ窓口」へ相談してみると良いでしょう。
最後に
ANAで予約した航空券をキャンセルする際、キャンセル料を出来るだけ安く抑え、出来るだけ多くの金額を払い戻すためには早いタイミングでキャンセルすることが大切です。特に「55日前・45日前・28日前・14日前・出発時刻」のタイミングでキャンセル料が大きく変動するので、このタイミングが来る前にウェブサイトやコールセンター等でキャンセル手続き(払い戻し手続き)を済ませておくようにしましょう。
また、これからANAの航空券を予約しようと思っている人は、急な予定変更で無駄なキャンセル料がかからないためにも、「ANAフレックス」や「ビジネスきっぷ」、「小児運賃」といった購入後も出発時刻前までキャンセル料がかからないものを選ぶか、「ANAバリュー」といったキャンセル料が安いチケットを選ぶことも検討してみると良いです。