カメラ好きにとって旅行先に欠かせないアイテムと言えば間違いなくカメラ。旅行先で出会う素晴らしい風景をスマホではなく、普段使っているお気に入りのカメラで綺麗な写真を残したい。またはフィルムカメラやインスタントカメラでは普段とは違った写真を残したい。そんな時に気になるのが飛行機へのカメラの持ち込みルール。
基本的にカメラは機内へ持ち込むことも、預け入れも可能。ただし、預け入れる場合は故障のリスクがある、フィルムはX線検査で感光するリスクがある、カメラの予備バッテリーはリチウムイオン電池で制限が厳しいといった、いくつか注意しておきたい点があります。この記事では、そういった注意点とともに、機内での撮影の可否や三脚の持ち込み可否についても紹介しています。
飛行機へのカメラの持ち込み
カメラ | 機内持込 | 預け入れ |
---|---|---|
一眼レフ | 〇 | 〇 |
ミラーレス | 〇 | 〇 |
コンデジ | 〇 | 〇 |
フィルムカメラ | 〇 | 〇 |
インスタントカメラ | 〇 | 〇 |
カメラは一眼レフ、ミラーレス、デジカメ、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)、フィルムカメラ、インスタントカメラと様々な種類がありますが、どれも問題なく機内へ持ち込むことが可能です。もちろん、預け入れ手荷物としてスーツケースの中に入れて預けることも可能です。
また、多くの航空会社で機内へ持ち込める手荷物は「3辺の和が115cm以内で重量が10kg(7kg)以下の手荷物1個」と「身の回り品1個」の計2個です。この条件を超えない限りはカメラを自由に持ち込むことが出来ます。しかし、身の回り品としてカメラバッグを2個持っている場合は身の回り品の持ち込み持ち込める数を超えてしまうので、持ち込めません。
カメラは預けるのではなく機内へ持ち込むのが基本
カメラを旅先に持っていく場合は、スーツケースの中に入れて預けるのではなく、機内持込手荷物として機内へ持っていくのが基本です。全日空(ANA)や日本航空(JAL)といった各航空会社もカメラは出来る限り機内へ持ち込むことを推奨しています。
カメラは精密な電子機器なので、スーツケースの中に入れて預けてしまうと輸送途中の衝撃によってカメラが故障してしまう可能性があります。それを避けるためにも、カメラは機内へ持ち込むのが基本です。また、万が一預けてしまってカメラが故障してしまった場合も、航空会社からの補償はありません。通常、受託手荷物が破損してしまった場合に、航空会社にその破損を申告することで何らかの補償を受けることが出来ますが、カメラを始め電子機器・精密機器・壊れやすいものは補償の対象外となっています。
カメラは預け入れが禁止されている訳ではありませんが、預ける場合は故障してしまっても航空会社に文句は言えないので、出来るだけ機内へ持ち込むようにしましょう。
フィルムは必ず機内持込の手荷物へ
フィルムカメラやインスタントカメラ(チェキ)を持っていく場合、フィルムは必ず機内へ持っていってください。フィルムはX線検査で感光する可能性があります。手荷物検査のX検査とは違って受託手荷物のX検査は強いX線を照射し、中身をしっかりチェックするので、フィルムがX線の影響を受ける可能性が高いのです。フィルムメーカー5社も飛行機を利用する際は、機内持込手荷物として持っていくことを推奨しています。
また、機内へフィルムを持ち込む場合でも、保安検査場ではX線検査機には通さずに「手検査」をお願いするのがオススメです。最近の機内持込用のX線検査機はフィルムを通しても感光しないように設計されていますが、各空港によって検査条件は異なるため、絶対に大丈夫ということはありません。特に「ISO1600以上」のフィルムはX線による影響が出る可能性が高いので、X線検査を避け手検査を依頼するのは必須です。
予備用バッテリーは預け入れ不可!必ず機内へ
Wh(ワットアワー) | 機内持込 | 預け入れ |
---|---|---|
100Wh以下 | 制限無し | × |
100Wh超~160Wh以下 | 1人あたり2個まで | × |
160Wh超 | × | × |
旅行先にカメラを持っていく場合は、カメラのバッテリーに注意しておきたい。カメラ自体は制限無く機内へ持ち込むことも、スーツケースに入れて預けることも可能です。しかし、カメラのバッテリーに関しては、カメラから取り外した状態でスーツケースの中に入れて預けるのは不可。カメラに内蔵された状態では、バッテリーは「電子機器本体」として扱われるので預けることは可能ですが、バッテリー単体だと「予備バッテリー(リチウムイオン電池)」として扱われるので、預け入れは不可となります。予備用のバッテリー(電池パック)を持っていく場合は短絡防止の措置をとって機内へ持ち込みましょう。
また、予備バッテリーは「100Wh以下」であれば制限無く持ち込み可能ですが、「100Wh超~160Wh以下」は1人あたり2個まで、「160Wh超」は持ち込みも不可です。一般的なカメラのバッテリーは「100Wh以下」なので個数を気にせず機内へ持ち込むことが可能です。
ただし、プロが使う業務用ビデオカメラの大容量バッテリーは「100Wh超」のものも多いので、その際は1人あたり2個までという条件が付きます。
三脚・一脚は機内へ持ち込める?
カメラと一緒に持っていきたいのが三脚・一脚。三脚・一脚は基本的に機内へ持ち込むことは出来ず、預け入れとなります。三脚は国土交通省のホームページで紹介されている「機内持込・預け手荷物における危険物の代表例」の中で、「機内持込は不可で預け入れのみ可」として記載されています。そのため、通常は機内へ持ち込まずスーツケースに入れて預け入れるのが基本です。
ただし、「畳んだ状態で60cm以下」のコンパクトな三脚・一脚については機内へ持ち込むことも可能となっています。60cm超の三脚・一脚は重量があり、持ち運びにも不便なので、旅行先に持っていく場合は折りたたんで60cm以下のコンパクトなものがオススメです。
機内でカメラを使って撮影しても良い?
離陸 | 上空飛行 | 着陸 | |
---|---|---|---|
以前 (~2014年8月31日) |
× | 〇 | × |
現在 (2014年9月1日~) |
〇 |
現在、カメラは飛行機搭乗後常時使用可能です。2014年8月31日までは、航空法に基づき、離着陸時はカメラを含む電子機器の使用は制限されていました。そのため、離着陸の時はカメラでシャッターを押すことが出来なかったのです。
しかし、2014年9月1日より機内における電子機器の規制が緩和され、電波を発しない電子機器(カメラ、ビデオカメラ、ラジオ、デジタルオーディオ機器等)は常時使用出来るようになりました。そのため、離着陸の瞬間も写真に収めることが出来ます。
最後に
旅行先にカメラを持っていくなら、機内へ持ち込みましょう。預け入れ荷物に入れておくと貨物質への積み込み時や輸送中の衝撃によってカメラが故障する可能性もあります。また、故障した場合は航空会社の補償の対象外となっているので、よほどの事情がない限りは機内へ持ち込むのが基本です。
また、カメラを持っていく場合は予備バッテリーを持っていくことが多いですが、リチウムイオン電池の予備バッテリーは預け入れ不可なので、必ず機内へ持ち込みましょう。